腸内洗浄は、美容に興味があるわけではなくても多くの人が耳にしたことがある方法だと思います。今までいろいろな宣伝がされており、ハリウッドセレブなども行っている美容法としても有名になりましたが、ここでは腸内洗浄とはどのような方法なのかを簡単に説明してみましょう。

病院などでの腸内洗浄とは、まず直接器具を肛門から挿入して、薬品や水分などを体内に注入します。それによって腸内に溜まって体外になかなか排出できない便などを除去しようとする方法であり、腸内洗浄の第一の目的は、毒素を体内から取り除くことにあります。

毒素とは一定の時間以上腸内に便が滞留すると発生してしまうもので、それが健康や美容にとっては大敵となり、肌荒れやにきびなどのトラブルも引き起こしてしまいます。腸内洗浄では、こんな毒素となる宿便を排出することによってこれらのトラブルを取り除き、単に便秘の解消をすることだけではなく、肌の調子を改善させていくことができるというわけです。

更に、宿便を取り除くことは下腹の痩身にも効果的で、ダイエット面でも効果があるといわれています。 一説では腸内に宿便や毒素は大腸ガンの原因になるともいわれていますので、心配のタネとしないためにも腸内はできるだけ清潔で健全にしておく方がいいとされているのです。

腸内洗浄の効果についてもう少し説明してみましょう。まず腸内洗浄の基本的な効果は身体の解毒効果にあるといわれています。よくデトックス効果といわれているものがそれに該当し、detoxと書きますが、もともとはdetoxificationのことで体内から毒素や老廃物を取り除く解毒という意味の短縮形です。

デトックスは体内に溜まっている毒素を排出させるという健康法で、最近流行っている岩盤浴などもその効果を狙ったものとされています。又、腸内洗浄は、便秘、ポッコリ出たお腹、肌荒れ、皮膚病・アレルギー、肝臓機能の改善にも効果があるといわれていますが、ポピュラーなのはやはり便秘の解消で、これが腸内洗浄のいちばんの効果ともいわれています。腸内洗浄では直接便秘を治すためではなく、実際は腸内環境を整えるためのものなのですが、実績結果としても便秘を改善することに大きな効果が期待できるのです。

その関連で、いわゆるポッコリとしたお腹にも比較的すぐに効果があるようです。又、腸内洗浄によって便が溜まることを防ぎ、新陳代謝を活発にすることで健康的な肌を取り戻すことができたという声も多いようです。新陳代謝の活性化は、便の滞留時間を正常にするため、便秘時に発生する硫化水素やメタンガスなどの毒素を防止します。それによって今まで腸に傷をつけてアレルギーや腸の病気を原因となったり、肝臓の機能を低下させたりする身体への悪い影響を解消してくれるのです。

腸内洗浄を行うことで便秘の解消となれば、便秘に関連したいろいろなトラブルも解決できるのではと期待されますが、その中でも、女性にとって嬉しいのが美肌効果ではないでしょうか。普段から熱心に高価な化粧品を買ったり、エステにも通ってみたりして、女性は美に対して常に努力をしているものですが、なかなか肌の状態が改善されないとの悩んでいる人も多いと思います。

そんな場合は肌表面に問題があるのではなく、体内に問題があることもあります。そう、便秘による悪影響です。長いこと蓄積された便は体内に毒素を発生させ、この毒素は肝臓に影響を与えますから血を汚してしまいます。血の汚れは肌のくすみ、荒れ、しみ、しわといった肌の問題の全てに直結します。皮膚は体内の調子を表すバロメーターと言っても過言ではありません。いわば体内状態を表す鏡のようなもので、最悪の場合は乳がんや大腸ガン、更年期障害へ直結することもありますので軽視できません。これは化粧品やエステで解決しようとかいう問題ではなくなってしまいます。

素肌美人のような美肌の人がいて羨ましがられますが、これはその人の身体の中が常に浄化されている状態だからからかもしれません。こんな美肌のためにも体内の毒素を排泄浄化し、血をきれいに浄化しなければなりませんが、やはり効果的なのは腸内洗浄かもしれません。肌の表面にばかりお金をかける美容法を見直して、身体の中からきれいになる美容法も試してみる価値は必ずあります。

一番確実な腸内洗浄はもちろん病院でやってもらうことです。腸内洗浄は便秘解消のほか肌荒れ改善などいろいろな効果があり、できれば自宅で気軽に行いたいと思うものですが、反面リスクもあります。安全性を重視する人や初めての人はまずは病院での実施をお勧めします。実際に経験した後でなら、自宅で自分で行うのもいいでしょう。

市販の腸内洗浄セットには、必要な器具は全て揃っているので、それをトイレに持っていって行う事ができます。初めにお尻の穴にチューブを入れるのが大変なようですが、挿入専用のワセリンも付属されている腸内洗浄セットもあります。無くても普通に買い足せるものですから問題はないでしょう。

洗浄に使用するのは「ぬるめのお湯」が最適で、量は一般的に200CCから500CC程度ですが、初心者は200CCからにしてください。肛門からの注入はゆっくりと行い、少なくとも5分間ぐらいの時間をかけて腸に入れていきます。注入し終わったら5分位我慢しましょう。病院で行った場合はここで看護婦さんがマッサージをしてくれますが、自宅ではそれを真似て自分でお腹のマッサージをします。これをするとしないでは随分と効果に差が出るそうです。そして後、出そうになっている排泄物を一気に出すわけです。これがうまくできれば病院へ行くよりもかなり安上がりになります。

腸内洗浄を行う際の注意事項ですが、現在大腸に何らかの疾患をもっていたり、過去に病気をしたことがある人や、痔を患っている人は専門医に相談してからの方がいいでしょう。又、妊娠中の人は避けた方が賢明です。妊娠中は赤ちゃんの命が関わることもあり、単純に便秘が辛いからというだけで安易な選択をするのはお勧めできません。どうしても辛いという時は医師に状況をきちんと説明した上で、どうするか判断をあおぐのがいいでしょう。

又、腸内洗浄の頻度ですが、週に1回、月に1回という人が比較的多いようですが、人によっては毎日やる方もいますし、各人によっていろいろです。目的は腸内をキレイに保つことなので、便が定期的にしっかり出ている人の場合なら月に1回で十分ですし、どうも腸の調子が思わしくないと感じたらその都度実施するのもいいでしょう。

しかし、案外自分の感覚と実際の腸の状況とは違うことが多いようですから、可能であるなら毎週行う方がベターだといえるでしょう。すぐに便秘になりやすい体質の人は改善が進むまでもう少し多くてもいい位です。もちろん、体質改善が基本ですから、はじめから腸内洗浄に頼るのは感心しません。普段から腸も含めた総合的な身体の健康を保てるような努力をすべきなのは当然です。